高齢者の心理

 

講習会に参加しました。

テーマは「老い」とむきあう という内容した。

 

 現在、高齢者は4人に1人とされ、高齢者への理解は必要となります。

20年後には3人に1人という超高齢化社会が予測され、上手くいけば自分もその仲間入りです(^^♪

講習会は、高齢者の心理、介護食、身体機能・運動機能を知り、高齢者の疑似体験をするという内容で、

加齢現象を少しずつ受け入れていかなければならない自分にも思い当たる節が・・・そんな講義でした。

 

老年期には体力や身体機能が衰え、社会での役割の限界や死を意識するようになる時期です。

五感・運動能力・記憶能力の低下、脳の認知機能の低下などに伴って環境へ適応しにくく、不機嫌やいら立ちが目立ってきたり、判断や欲求のコントロールが難しくなったりします。これは機能の低下に伴ういたしかたない現象です。

職業、役割、病気、配偶者・友人の死などによる喪失感を抱きやすく自分自身の喪失に対する悩みやストレスも抱える時期でもあるようです。これらの心理的な負担がうつ状態を招くこともあります。

これだけの機能低下をあげられてしまうと

超高齢化社会への仲間入りは不安になり、加齢に向け希望を失いそうです。(>_<)

しかし、高齢でも維持される能力もあるそうです。

流動性知能と結晶性知能についてご存じですか?

 

流動性知能

新しい学習や新しい環境に適応するために必要な問題解決能力で加齢とともに低下する。一般的に高齢者の知能が低下していくイメージそのもになります。ところが

結晶性知能

蓄積した学習や経験を生かす能力や学校での教育だけでなく、日常生活や仕事上の経験などの知能は、なだらかに低下するものの80歳代でもそのレベルは20歳代に近い能力が維待される。

これは、高齢になっても過去の経験を生かしながら何かを学び習得することも十分可能であることを示します。

高齢者は全ての機能が低下していくとしても、長年培ってきた知恵や知識、身にしみついた技能などをまだまだ生活に生かせるというメリットがあります。また、これらを若い世代に伝授できるという役割があるということにもなります。

高齢者の知恵をしっかり引き出して大いに活用させてもらいたいですね。

 

講習会の中では高齢者体験をしました。

おもりのついたつなぎを着て、ゴーグルをあて、杖をついた疑似体感状態で実際に行動してみました。

身体が思うように動かないことよりも、視野が狭いことや視力の低下という体験が、とても狭い世界に閉じ込められ孤独を感じるような気持ちになりました。

誰かと一緒に過ごせている高齢者だとしても視覚の低下や加えて聴覚の低下は、他者とのコミュニケーションも上手くいかず、強い孤独を感じて過ごされている方が多いのではないかと思いました。

そんな世界は高齢者の不安感をさらに助長させることになるのかもしれません。

身体機能の低下は食い止められませんが、少しでも機能を維持していく努力や意識、そして安心感を与えられるような関りがとても大切なような気がします。

最近は、ウォーキングや水泳、スポーツジムなどでも体を鍛えておられる高齢者の方が増え驚いています。

人が集まると必然とおしゃべりやコミュニケーションも高まり、これらが認知症予防にもつながるのだと思います。しかしながら、いくら運動が大切とはいっても、急にあんな風にはなれないし、なかなか見習えるものではありません。

身体機能を維持するためには、自己管理は必要です。年老いて急に頑張ろうとするよりも、30~40代のうちに軽い運動習慣を身につけて備えていく必要があるようです。

”生き生きと老いを過ごす”自分をイメージしながら、 今からちょっとずつ運動を身につけていかねばと刺激をもらいます。

 

カウンセリングでは、高齢者の家族との関りについて不安を感じた方や、認知症の方のご家族から介護の悩みなどについてのお話を伺うことがありますが、その現状はとても大変だったりします。介護は長く続くものであり状態を維持はできても改善は難しいのが現状です。

大事な家族だからこそより良く気持ちよく過ごしてもらいたいという優しい思いを抱かれつつ、とても葛藤されています。毎日の生活のことですから、どんなに大好きで大切な家族でも限界もあります。

そんな時、自分自身で介護の負担を抱え込みすぎず、他の家族への協力や医療・福祉に助けを求めてみる、地域包括センターなどへの相談によって何かしらのお手伝いを依頼していくことも必要です。

とにかく、ひとりで抱え込まないことです。

支える家族がストレスいっぱいでは、結果的には高齢者も安心できず、落ち着いて過ごせません。

介護者が少しでもゆとりの気持ちや時間がもてるよう、何かしらの形で協力を得て皆でサポートできると良いですね。そして、親しい人に話したり、カウンセリングなども上手く利用して少し誰かに話してみる時間を設けてみて下さい。ゆとりの気持ちを持つ事は、自分自身の為であり、家族の為でもあるのです。

そして、介護される側も家族に負担をかけたくないという思いに駆られている方がほとんどだと思います。

いずれ誰もが迎える老いについての身体的・心理的・社会的な状態の変化を知ることによって、高齢者の様々な変化がご本人にとっては、とてもつらいものだということが理解できます。

このような視点が、感情的にならずに接することにつながり、無駄に悲観的にならずに現状を受け入れやすくしたりすることもあります。

 「老いと向き合う」とうことは、老いへの変化を本人だけでなく家族や周囲の人も一緒に受け入れていき、日々の生活をより豊かにできるよう、お互いに助け合って生きるということなのでしょうか。