ご縁

 

広島県北にある、ご先祖様の墓参りに。

ドライブがてら、かなり足を延ばし

式年遷宮でも話題となった島根県の

出雲大社(縁結びの神)に向かいました。

少し人気が落ち着いた頃かと思い

お思い立ったが吉日の行動です。

新緑の季節にて、田舎道にそう途中の山々は

緑や山藤がとてもきれいでした。

 

神社は今

パワースポット、御朱印のブームで

若い方も熱心に、お参りをされています。

何年か前から、私も計画的ではないものの

広範囲に神社をお参りする ”ご縁”に恵まれ

趣味か?と思うほど。

ブームには乗れたが、祈願するでもなく

観光気分満載の私に、ご利益は・・・

随分前に、訪れた出雲大社は

参拝客にあふれ、道なりに歩き続けて

巨大なしめ縄をくぐったかと思うと

参拝も終わっていた。という薄い印象。

今回は、比較的人が少なく、くまなく散策し

周囲の景色も満喫できました。

小高い丘の山々に囲まれ、自然に溶け込む

社殿の景色は、太古の昔を想像させます。

簡素でどっしりと、落ち着きのある神社でした。

八百万の神々(自然の神様)を祀る

所以が伝わり、新緑と共に清々しさを感じました。

 

神社は、奥深い木々の中にあることが多く

必然的に自然のエネルギーを頂けます。

要は、無意識に森林浴しているのです。

出雲大社からも、自然のエネルギーに触れる

ご利益は頂けたようです。

お願い事に気を取られていると、神社が

これほどまでに、自然を感じられる所だと

気付けなかったでしょう。

以前の参拝と、全く違う印象を得たのは

歳を重ね、見方が変わったからです。

神社は、ご利益を求めるというより

訪れる機会と、その ”ご縁” に感謝し

その土地の自然やご神木、壮大な木々達の

生命を感じとりに行く場所かも

と思えるようになった次第です。

心を整理したり、リフレッシュできる

ゆとりの空間でもあるような気がします。

ある意味、精神のパワースポットです。

 

 

ところで

出雲大社の主祭神は、大国主命(大己貴命)

ですが、ヤマタノオロチ伝説でも有名な

須佐之男命スサノオノミコト)も祀られ

こちらは、奥深き神様のご様子。

子供の頃、近所のすごく小さな神社でも

ヤマタノオロチ伝説の神楽が舞われ

意味も分からず見物していた頃の

古臭い記憶とつながりました。

この神様、広島の厳島神社(宗像三女神)

にも関連があります。

有名どこでは、京都の八坂神社や

埼玉の氷川神社の主祭神でもあります。

こうした神々の信仰は、交通手段の少ない時代から

日本の広範囲に土着し、あらゆる地域とも何かしらの

繋がりや、ご縁があるのでしょう。

 

隣接する古代出雲歴史博物館にも行きました。

出雲大社の散策にくたびれ、うわの空のなか

さらりと、国宝の銅たく、三角縁神獣鏡などが展示され

写真撮影も可というゆるさ、というか懐のひろさ。

使用目的が曖昧ながら、不思議さを醸し出す

太古の技術・デザインは、現代に劣らない

洗練された世界を感じます。

その土地の歴史・文化からも、神社の由縁や

ご縁を紐解くワクワクが刺激されます。

 

いろんな意味で

目に見えない繋がりを表す ”ご縁” とは

なんとも不思議で面白く、素敵な言葉ですね。

良き事に受け取るための、美しい日本語です。