共生

 

勉強会に参加 

『共生』をテーマに

住環境・建築デザイン、微生物・細菌・食と幅広く

心身の健康を考える学会・講習会に参加した。

様々な視点から、沢山の健康情報をインプットできたが

上手くアウトプットして表現しきれない。

 

そして

ふと、『共生』にまつわる出来事を思い出した。

子供が集まる施設にて

ある日、一匹のゴキブリをトイレで発見。

トイレから、すばしっこく飛び出てきたゴキブリは

子供達のさらし者になり、大興奮状態で

ギャーギャーと大騒ぎされた。

見かねた職員の女性は、なんと素手で

素早く、ゴキブリをキャッチし握りつぶす。

とっさの使命感?だったのか、「もう大丈夫よ~」と

言ってのけ、根こそぎ手を洗っていた。

見事な早業にて「お見事~」と私は思わず大拍手。

なぜか、つられて拍手する子供達。

一件落着。みんな落ち着きを取り戻した。

その後

一人の子がトイレに行きたいと、股間を抑え我慢している。

でも、トイレの中には入りたくないと言う、その理由とは。

「だって~、さっきゴキブリおったじゃん!

トイレ消毒したのー!!  してないんでしょー!!」

小学一年生の主張。

そこにいた大人全員の目が点・・・

他の子も、それを聞きトイレに入るのを躊躇し始める。

職員のお一人が

「あのねー、みんなのうちにも、ゴキブリいるでしょう。

ゴキブリはね、みんなと暮らしてるのよ。だから大丈夫。」と

そうそう「共生」よ。と私は納得。

子供は、ピンと来てはいないものの

「じゃあ、一番にトイレに入る、勇気のある子は?」

とはっぱをかけると、今度は喜んで、我先にトイレに入りたがる。

この素直さには、笑えるが

もはや、ゴキブリの通り道は消毒対象なのかと驚いた。

君たちの、トイレの飛び散りの散乱こそ消毒したいよ。

確かに、ゴキブリは汚いし、私も苦手。たいがい直視せず

薄目を開けるか、眼鏡をずらして処理をする。

 

子供達の清潔観念は、びっくりするくらいチグハグなもの。

弁当やおやつを、ボロボロこぼしながら

床に落ちた物も、平気に食べてみせるくせ

他人の同じ行為には、汚ないと厳しく指摘する。

手洗い後、たっぷり汚れをまとった自分のTシャツに

なすり付けて手を拭く姿。とても綺麗だね・・・。

ダンゴムシやセミの抜け殻を、大切に握り締めていたり

鼻水を素手でぬぐったまま、そこらじゅう触りまくる。

ついでに、私も触ってもらえる。(-_-;)

まあ、どう言っても子供は、こんなものでしょう。

なのに、ゴキブリの足跡を消毒とは

どのお口が、それを言うか~と思う。

それを認識させるのは、大人であり

今の、除菌体質の世間なのですから考え深い。

 

 

ところで

様々な視点から学び得た『共生』では

多様な人々との関わりや、コミュニティへの参加が

健康をもたらすという、共通点が見えてきた。

ひきこもり、不登校、認知症、うつ、生活習慣病

多くの災害・仮設住宅での健康問題からも

コミュニティと食生活の関連、健康への影響が

解明されてきている様だ。

ゴキブリ騒動も、コミュニティの中では笑いを生んだ。

自然なコミュニティ空間・共生が健康を創造している。

人間の行動傾向や環境に基いた、建築デザインの分野でも

それらを、緻密に計算し、健康に貢献していた。

そういったモデルを参考に、居住環境を見直せると良い。

 

では、自分は健康的な「共生」生活が送れているだろうか。

食生活、環境すべてにおいて反省点多々あり。

特に、「共生」を楽しむ意識に乏しい自分がいる。

マンション暮らしは、意外に隣人に会わない。

一見、まとまりのあるコミュニティだが、希薄な面も。

そうした関わりの方が、気楽なのは危険信号かも。

幸い、お隣さんが野菜を下さる、受け身の有り難い環境があり

なんとか、共生の合格圏内ということにしよう。

 

ただ、『共生』は

強要されても困る。密着や依存とも違う。

有効なコミュニティや、ご近所付き合い

仲間、家族間、ゴキブリとも

適度な距離感は、保ちたいところである。